ワークフローシステムを実際に導入するまでの手順・進め方
ワークフローシステムを導入することでムダや手間を省き、煩雑な承認作業が自動化できる。
それによって得られる効果、メリットは業務効率化やスピードアップ化だけでなく、内部統制やコンプライアンスの強化など、様々な点があることもわかりましたね。
ではその「メリット」を最大限引き出すためにはどんな手順で、どんな進め方で動いていけばよいのでしょうか。
ワークフローシステム導入の手順
①導入目的の明確化
ワークフローシステムを導入することで得られる効果やメリット、業務改善についておさらいしておきましょう。
●ワークフローシステム導入で得られる効果・メリット
・申請、承認作業の業務効率化
・申請、承認作業のスピードアップ化
・ペーパレス化でコスト削減
・内部監査対応をスムーズにできる
・内部不正を防ぎ、コンプライアンス強化
・働き方を柔軟にしやすくなる
さて、この中であなたの会社で求めている「効果・メリット」はどれですか?
ワークフローによって効果やメリットがたくさん得られるからと言って手あたり次第に導入していては本当の使いやすさとはかけ離れてしまいます。
「何のためにワークフローシステムを導入するのか?」を考えるのがスタートラインと捉え、導入を検討していくことが重要です。
「支社間のやりとりで承認に時間がかかりすぎる」
「申請書の処理が煩雑でわかりにくい」
「紙の申請書からの入力作業が他部署で重複している」
今ある課題を洗い出し、自社の課題に合った機能を搭載したワークフローシステムを選定することから始めましょう。
ワークフローシステム導入の手順
②担当者の選定
次の手順では「誰がメインとなってワークフローシステム導入を進めるか」を考えましょう。
管理部門だけで進めがちですが、実際に使う人の意見を聞くことが重要です。
導入推進プロジェクトを組む場合は、申請者、承認者、管理者、メンテナンス要因などワークフローシステム導入後に関わる人の視点で検討できるようメンバーを選ぶようにしましょう。
ワークフローシステム導入の手順
③申請・承認フローの洗い出しと整理
ワークフローシステムで自動化したい申請、承認作業に使用されている申請書や手順は適切ですか?
重複している申請書や、省ける作業はありませんか?
今あるワークフローをそのまま電子化するのではなく、廃止や統合、変更も視野に入れながらブラッシュアップしていきます。
また、この機会に社内で起こりがちであった「ルール違反」を正すのもよいでしょう。
項目を追加したり備考欄を付けることで不正を防ぐことに繋がります。
これまで口頭で補填していた情報をまとめて申請書に書けるようにすれば使う人にも効果やメリットがあります。
ワークフローシステム導入の手順
④移行する申請・承認フローの決定
では、次の手順では「電子化する優先順位」をつけていきましょう。
進め方としては一気に進めてしまうこともできますが、優先順位をつけて段階的に導入することも可能です。
「よく使う機能から優先的に導入する」「業務改善に大きく貢献する機能から」など、段階的に手順を踏んでいく進め方もできますので、ワークフローシステムの導入目的や達成予定期限に合わせて進めていきましょう。
ワークフローシステム導入の手順
⑤ワークフローシステムの選定
今度は「どのワークフローシステムを導入するか」を考えていきましょう。
使う人の視点で大切なのは「利便性」。
操作は難しくないか、タブレット端末やスマートフォンからでも利用できるかなど、実際に使う人の意見や場面を想定しながら考えてみましょう。
次に「安全面」にも注目しましょう。
セキュリティ対策が万全のシステムであれば、見積もりや契約書が添付できたりと利便性も上がります。
また、現在すでに他のシステムが導入されている場合は「相関性」も大切。
人事システムや給与計算システムなど、導入済のシステムと連動させて管理できるものを選ぶことで、社内全体の業務効率化にもつながります。
ワークフローシステム導入の手順
⑥ワークフローシステムの設定
ワークフローシステムの選定が完了したら、申請画面などの設定を行います。
・申請画面の作成
・承認ルートの作成
・ユーザーの権限設定
フォーマットをカスタマイズし、申請画面を作成していきます。
プルダウンやチェック項目を活用する、備考欄を付けるなど、入力方法ひとつで利便性もアップします。
また、承認ルートが煩雑な場合も、パターン化して設定を行います。
「〇〇円以上の申請は△△部へ」「承認者が複数いる場合には全員承認以外は却下」など細かく設定できます。
ワークフローシステム導入の手順
⑦システムのテスト導入
ワークフローシステムの選定が完了したら、一部の部門で導入テストを行う進め方をおすすめします。
「承認・申請のタイミングで通知が来ればより使いやすい」「入力が多すぎるのでプルダウンを増やそう」など、改善点が見えてきます。
また、テスト導入することでどんなトラブルが起こりうるのか、その場合にどんな風に対応すればよいのかも見えてきます。
トラブルシューティングの手順や対応、進め方を決定するのにも役立ちます。
ワークフローシステム導入の手順
⑧全社導入
さあ、いよいよワークフローシステムの導入です。
利用マニュアルを作成し、使用方法を説明し、運用を開始しましょう。
ワークフローシステムの導入には「優先順位」を意識して選定することが重要であることがわかりましたね。
課題や改善点を一つずつ洗い出し、手順を追って進めていくことで、ワークフローシステム導入の目的や得られる効果・メリットを明確にできます。
もし今、導入や選定に迷っておられる場合は「進め方」を見直してみませんか?
手順を追ってひとつずつ解決していくことで、本来の目的が見えてくるはずですよ。